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Music’s Call : Carl Craig [The Melody]

紅輪ブログ音楽シリーズ「Music’s Call 」

 

このシリーズでは「音楽と陶芸におけるハーモニーとリズムについて」を探求します。音楽と陶芸はそれぞれ異なる芸術形態でありながらも、共通の美学や要素を共有しています。ハーモニーは、音楽においては和音や旋律の調和を指し、陶芸においては素材や釉薬、焼成の過程などの要素が調和することを意味します。リズムは、音楽においてはビートや拍の流れを示し、陶芸においては作品の形状や模様、釉薬の流れなどがリズムを生み出します。このシリーズでは、音楽と陶芸がどのようにしてハーモニーとリズムを通じて共鳴し合い新たな美と価値を生み出しているのかを探求します。

 

第1回:Carl Craig [The Melody] 

 

 

[The Melody]は、テクノ界の巨匠、カール・クレイグの作品の中でも特に評価の高いトラックです。この楽曲は、美しいメロディラインと深いビートが特徴で、テクノとエレクトロニカの境界を超えた音楽的探求を示しています。

 

テクノミュージック界では、[The Melody]は革新的な作品として高い評価を得ています。Resident Advisorのレビューでは、「カール・クレイグの作品は、その洗練されたハーモニーとリズムによって、常に注目されています。[The melody]はその最高傑作の1つであり、テクノの古典の一つとして永遠に残るでしょう」と述べられています。 (参照:Resident Advisor)

 

一方、クラシック音楽界では、ピアニストである知られるラン・ランもこの曲を高く評価しています。彼は自身のウェブサイトで、「カール・クレイグの[The melody]は、テクノというジャンルを超えた美しい音楽です。その洗練されたハーモニーと緻密なリズムは、クラシック音楽の世界でも称賛されるべきものです」と述べています。 (参照:Lang Lang’s website)

 

[The Melody]を作曲し、ピアノを弾き、オーケストラに編曲しているのは、クラシックとクラブミュージックを股にかけるピアニスト、フランチェスコ・トリスターノです。

 

クレイグ自身も[The melody]について述べています。「この曲は私にとって非常に重要であり、自分の音楽的な旅路の中で新たな地平線を開くものだった。ハーモニーとリズムの絶妙な組み合わせは、私の音楽の核心を表している」と述べています。 (参照:Mixmag)

 

次にカール・クレイグのバックグラウンドを辿ってみましょう。

 

Perfect Circuitのインタビューを参照しました。

 

Carl Craigの音楽の旅

 

カール・クレイグは、ラジオやテレビから流れる音楽に影響を受け、幼少期から音楽に夢中になりました。10代の頃、Jean-Michel JarreやKraftwerkに触発され、シンセサイザーの世界にのめり込みました。彼の音楽の旅は、異なる影響を受けつつも独自のスタイルを確立する過程です。

 

モジュラーシンセサイザーの魅力

 

クレイグは、モジュラーシンセサイザーの即興性と予測不可能な音色に魅了されてきました。これにより、無限の音の可能性を探求し続けることができるのです。モジュラーシンセサイザーは、彼の音楽制作において重要なツールであり、新しい音を絶えず発見する手段となっています。モジュラーシンセサイザーは、音の創造において豊かなグラデーションを提供します。その特徴は、音色やエフェクトを微妙に調整し、異なる音楽的表現を探求することができる点にあります。ノブやスライダーを操作することで、微細な変化を加えることができ、音の深みや広がりを探求することができます。

 

音楽制作とジャンルの境界

 

クレイグの言葉を借りると、「それをテクノ・クラシカルとは呼ばない。それは『アクションとアドベンチャー!』だ。それを作るのは冒険だったが、音楽は音楽だ… 音楽は楽しむため、そしてインスパイアするためにある。曲を作るとき、『これはテクノのため、これはハウスのため…』なんて考えたことはない。ただ作り、そうなっただけだ。そして、それが完成するまで一生懸命に作り上げた」(出典:Perfect Circuit)。

 

クレイグは音楽をジャンルに囚われず楽しむことが重要だと考えています。[The melody]を含めたプロジェクト「Versus」は、クラシックとエレクトロニカの融合であり、彼はこれを「アクションとアドベンチャー」と表現しています。音楽はリスナーに楽しみとインスピレーションを提供するものであり、ジャンルの壁を超えて広がるべきだと主張しています。

 

クレイグはジャンルの枠にとらわれずに音楽制作を楽しむこと、創造的な冒険を大切にし、自由な表現を追求する姿勢を示しています。

 

紅輪との接点

 

紅輪のディレクターもジャズドラムやDTMの演奏など音楽活動から養った即興性やハーモニー、リズム感を陶芸の作品ごとに落とし込んでいます。そしてまた、陶芸を通じて創造性と自由な表現を追求しています。クレイグが音楽のジャンルにとらわれずに新たな領域を探求するように、紅輪も陶芸を通じて新しい美と価値を生み出すために挑戦しています。異なる芸術形態を通じて同じような創造性と自由さを共有している、というのは大袈裟ではありません。

 

おわりに

 

陶芸の美学は異なる要素が調和することで生まれ、その調和の中に美が存在します。そこにはハーモニーとリズムの要素も存在します。音楽でも同様に、ハーモニーとリズムが調和することで美しい楽曲が生まれます。

 

このシリーズでは、音楽と陶芸のハーモニーとリズムに焦点を当て、両者がどのように調和し合い、新しい美と価値を生み出すかを探求しています。紅輪の陶芸や音楽が、多様な要素が一体となって美を生み出すプロセスであることを示し、あなたにその共鳴を感じてもらいたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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